【現場担当者必見】バーコードリーダーの仕組みと用途別おすすめ機種!

バーコードリーダーとは?

バーコードの種類を解説
バーコードリーダーとは、バーコードに記録された情報を読み取り、デジタルデータとしてコンピューターやPOSシステムなどの機器へ送る装置です。白と黒の線の幅や配置、または点のパターンで表現された情報を、光を当ててその反射の違いを感知することで瞬時に識別します。
読み取った情報は、商品の価格や在庫数、製造年月日、顧客情報など、多岐にわたるデータとして処理されます。これにより、手作業による入力ミスを防ぎ、会計処理の高速化や在庫管理の効率化、正確なデータ収集といった業務改善を可能にする、現代ビジネスに不可欠なツールです。

バーコードリーダーの仕組み

バーコードリーダーは、バーコードの白黒パターンを読み取り、デジタルデータに変換する装置です。まずリーダーがバーコードに光を当てると、白い部分は強く、黒い部分は弱く光を反射します。この反射の違いを電気信号に変換し、リーダー内部のデコーダーがその信号を解析。バーコードのルールに基づき、数字や文字といったデジタルデータに変換します。
変換されたデータは、USBやBluetoothを通じてパソコンやPOSシステムなどのホスト機器へ送信され、商品識別や在庫管理、会計処理などに活用されます。この一連のプロセスが瞬時に行われ、高速かつ正確な情報処理を実現します。

バーコードリーダーの種類と仕組み

バーコードリーダーは、大きく分けて2種類あります。一つは1次元コードリーダーで、細長いバーとスペースで構成されるJANコードなどを読み取ります。もう一つは2次元コードリーダーで、QRコードのように縦横に情報を持つコードを読み取れるのが特徴です。2次元コードリーダーは1次元コードも読み取れるため、より多様な用途に対応できます。それぞれのリーダーは、バーコードのパターンを光で感知し、デジタルデータに変換する仕組みです。

1次元コードリーダー

1次元コードリーダーは、JANコードやCODE39などの横方向に情報を持つバーコードを読み取る専用機器です。比較的安価で、スーパーのレジや店舗での棚卸し、小規模な在庫管理など、主に商品コードの読み取りに利用されます。読み取り速度が速く、シンプルな情報管理に適しており、多くの現場で導入されています。詳細はこちら

CCD方式


CCD(Charge Coupled Device)方式のバーコードリーダーは、主に1次元コードの読み取りに用いられます。LEDの光をバーコードに当て、その反射光をCCDセンサーで直線的に捉えるのが特徴です。読み取り距離は数cmと短く、バーコードにリーダーをほぼ接触させる「タッチ読み取り」が基本となります。
この方式の最大のメリットは、高速かつ高精度な読み取りを実現し、スマートフォン画面に表示されたバーコードや、多少の汚れ、かすれがあるラベルでも比較的安定して読み取れるという強みがあります。また、可動部分が少ないため耐久性が高く、衝撃にも比較的強いという利点もあります。
スーパーのレジや店舗での商品読み取り、小規模な在庫管理など、日常的に多数のバーコードを処理する現場で多く使用されています。ただし、2次元コードは読み取れない点には注意が必要です。

リニアイメージャー方式

スタイリッシュバーコードスキャナBW-9000

リニアイメージャー方式のバーコードリーダーは、CCD方式の読取距離を数10cmまで伸ばしています。その特徴は、ロングバーコードに対応した読取幅の拡大や読取距離を数cmから数十cmと離れた位置からのスキャンが可能な上に小型化を実現しています。
この方式は、レーザー方式に似ておりますが、可動部がないため耐久性も高いシンプルな構造で価格が安価な点です。
価格はタッチ方式よりやや高めですが、その優れた性能から、スーパーのレジ、物流現場、医療機関など、高速・高精度な1次元コード読み取りが求められる多様な現場で広く採用されています。

レーザー方式


レーザー方式のバーコードリーダーは、レーザー光を使い、バーコードの黒白パターンをスキャンして読み取るのが特徴です。ピンポイントのレーザー照射を高速に左右に振り直線のように照射してその反射光を高速解析することで、デジタルデータに変換します。
この方式の最大のメリットは、離れた場所からでも読み取れる「ロングレンジ対応」が多い点です。数メートル先の高所のコードや大型バーコードも読み取れ、読み取り速度が速く、薄暗い場所でも安定して使えます。
ただし、内部にレーザーを走査させる可動部があるため、衝撃にはやや弱い傾向があります。価格は中程度から高価です。物流倉庫や製造業、小売バックヤードなど、高速かつ長距離読み取りが必要な現場で広く活用されますが、1次元バーコード専用です。

2次元コードリーダー

2次元コードリーダーは、QRコードやDataMatrixなどの縦横に多くの情報を持つ2次元コードを読み取る機器です。1次元コードも読み取り可能で、スマートフォン画面上のコードや、汚れ・破損があるコードにも強いのが特徴です。多様な情報を一度に処理でき、製造履歴管理、モバイル決済、医療現場など、幅広い分野で活用されています。価格は1次元リーダーより高めですが、その汎用性が魅力です。詳細はこちら

イメージャー(カメラ)方式

BW-845UB

イメージャー(カメラ)方式のバーコードリーダーは、CMOSカメラを使用してQRコードなどの2次元コードを「画像」として読み込むのが最大の特徴です。これは、レーザー方式が線をスキャンするのに対し、カメラでコード全体を一括で捉えるイメージです。
この方式は、縦横の情報を同時に処理できるため、データ量の多い2次元コードも高速かつ正確に読み取れます。また、スマートフォンの画面に表示されたコードや、斜め・歪んだ状態、さらには多少の汚れや破損があるコードにも強いという大きな利点があります。
さらに、1次元コードも2次元コードも両方読み取り可能なため、汎用性が高いです。一部のリーダーではOCR読み取りや画像認識やデータ解析など多機能に活用でき、物流、医療、モバイル決済など幅広い分野で利用されています。

失敗しない!バーコードリーダーを選ぶコツ3選

①コードの種類に合うか確認する

バーコードリーダー選びで最も重要なのは、読み取りたいバーコードの種類に合わせることです。
1次元コードリーダーは、JANコードなど横方向に情報が少ないコードに特化しており、価格が安価なのが特徴です。一方、2次元コードリーダーは、QRコードのように縦横に多くの情報を持つコードに対応し、1次元コードも読み取れる汎用性の高さが魅力ですが、価格はやや高めになります。
自社の業務で扱うバーコードが1次元のみか、それとも2次元も含むのかを明確にし、それに合ったリーダーを選ぶことが、導入後のトラブルを防ぐ第一歩です。

②読み取り環境に合った形状を選ぶ

バーコードリーダーの形状は多種多様で、業務内容や場所に応じた選定が不可欠です。
ハンドヘルド型 :最も一般的で、片手で持って広範囲に使える汎用型です。
ハンドグリップ型:大量スキャン向けで、長時間の作業に適しています。
モバイル型   :Bluetooth転送方式でタブレットやスマホ連携の小型軽量タイプで、持ち運びに便利です。
リング型    :指に装着し、ケーブルレスで両手を使ったハンズフリー作業を可能にします。
定置型     :カウンターなどに設置し、商品をかざす自動読み取り型です。
組み込み型   :他の機器内部に組み込み、自動で読み取りを行います。
照明、埃、読み取りスピードなど環境要因も重要です。例えば暗所や高速作業では適切なリーダーが必須です。環境に合わない形状では正確に読み取れないこともあるため注意が必要です。読み取りエラーについてはバーコード読み取れない原因もご参照ください。

③有線 or 無線を決める

バーコードリーダーの接続方法は、使用シーンに合わせて選ぶことが重要です。
有線タイプは、パソコンやPOSレジにケーブルで直接接続します。メリットは安定した通信と充電不要な点ですが、ケーブルの長さによる可動範囲の制限がデメリットです。
一方、無線(Bluetoothなど)タイプは、ケーブルレスで自由に移動しながら作業できる点が大きなメリットです。倉庫内での検品や移動販売などに適します。デメリットはバッテリー充電が必要なことと、電波状況による通信の不安定さが生じる可能性がある点です。
業務内容や作業場所を考慮し、最も効率的な接続タイプを選びましょう。

使用シーン別|おすすめバーコードリーダー

店舗

店舗では、扱うバーコードの種類と使用シーンに合わせてリーダーを選ぶのが重要です。
商品のJANコード読み取りが主な場合、1次元バーコードリーダー(例:CCD方式、リニアイメージャー方式)がおすすめです。価格が手頃で反応も良く、レジ業務をスムーズにします。安定性を重視するなら有線タイプが適しています。
一方、QRコード決済の読み取りや、商品管理・棚卸しで多くの情報を扱う場合は、2次元コードリーダー(イメージャー方式)が必須です。1次元コードも読め、スマホ画面表示や多少の汚れにも強いため汎用性が高いです。店内を移動しながらの作業が多い場合は、コードレスの無線タイプを選ぶと効率が上がります。

倉庫

物流倉庫では、コードの汚れや損傷による読み取りミス、高所や遠方からの読み取り、位置合わせの手間などが課題です。これらを解決するには、環境に適したバーコードリーダー選びが重要です。
おすすめは、2次元コードリーダー(イメージャー方式)です。汚れたり損傷したコード、スマートフォン画面上のコードも読み取れる堅牢性と、1次元コード・2次元コード両対応の汎用性が強みです。また、ロングレンジ対応のレーザー方式も、離れた場所からの読み取りに有効です。
形状としては、広大な倉庫内を移動しながらの作業に適した持ち運びが便利な無線(ワイヤレス)のモバイル型やハンドグリップ型が主流です。両手作業が多い場合は、小型で装着型のリング型リーダーも効率的です。これにより、検品作業の効率化と人的ミスの削減に大きく貢献します。

医療

医療現場では、患者情報の照合、薬剤管理、検体管理など、正確性と安全性が極めて重要です。そのため、バーコードリーダー選びも特殊な要件を満たす必要があります。
患者リストバンドや薬剤の1次元/2次元コードを読み取るには、イメージャー(カメラ)方式の2次元コードリーダーが最適です。これは、多様なコードに対応し、かつ液晶画面表示や多少の汚れにも強いため、迅速な確認が可能です。
特に医療現場向けには、本体が抗菌素材でできていたり、アルコール消毒に対応していたりするヘルスケアモデルを選ぶことが重要です。これにより、衛生面を保ちつつ安全に使用できます。また、持ち運びが多く、両手がふさがる作業もあるため、軽量で操作しやすい無線ハンディ型や、手を使わずに読み取れる定置型も推奨されます。正確な情報管理とヒューマンエラー防止に貢献します。

工場

工場環境では、油、粉塵、水分などが発生しやすく、製品や部品のバーコードも汚れやすいという特性があります。そのため、バーコードリーダーには高い耐久性と読み取り能力が求められます。
工場でのおすすめは、高い防塵・防滴性能(IP規格準拠)を備えた2次元コードリーダー(イメージャー方式)です。これにより、厳しい環境下でも安定した読み取りが可能で、汚れたり破損したりしたコードも高精度で読み取れます。
また、製造ラインや広い工場内を移動しながらの作業が多いため、ケーブルに縛られず、作業動線を邪魔しない無線(ワイヤレス)タイプが非常に有効です。特に、両手での作業が多い現場では、指に装着するリング型リーダーや、固定してハンズフリーで読み取れる定置型も生産性向上に貢献します。堅牢性とワイヤレスの組み合わせで、工場の生産性向上とエラー削減に役立ちます。

まとめ:バーコードリーダーの仕組みと選び方を理解して業務を快適にしよう!

バーコードリーダーは、大きく分けて1次元コード用と2次元コード用の2種類があり、それぞれ異なる仕組みと特徴を持っています。これらリーダーの原理や性能を理解することは、現場の業務効率を飛躍的に向上させる第一歩となります。
例えば、読み取りたいコードの種類(JANコードかQRコードか)、使用する環境(店舗、倉庫、医療、工場など)、必要な機能(有線・無線、堅牢性、読み取り距離)を事前に把握しておくことで、最適なリーダーを選定できます。これは、導入後のトラブルを防ぎ、スムーズな業務運用に直結します。
自分たちの業務に最適なバーコードリーダーを見つけることで、手入力によるミスを減らし、作業時間を短縮し、データ管理を正確にするなど、多くのメリットが享受できます。もし最適なバーコードリーダーをお探しの方は、ぜひバーコードのプロフェッショナルである私たちにご相談ください。皆様のビジネスに最適なソリューションを丁寧にご案内させていただきます。本コラムでは、今後も皆様のお役に立つ情報の発信を続けてまいります。

投稿者プロフィール

厳田真司
厳田真司
業界27年のベテラン営業マン兼ライター。
積極的に海外からも良い製品を探してくるが基本的にはモノづくり大好き人間。