【液晶読取】バーコードリーダで「スマホの画面」が読み取れない理由は?レーザ式とCCD/CMOSの違いを解説!
モバイル決済や会員証アプリの普及により、バーコードリーダには「紙」だけでなく「液晶画面」を読み取る能力が求められています。しかし、既存の設備が対応しておらず、レジ前でお客様をお待たせしてしまうケースも少なくありません。なぜ従来のリーダでは対応できないのか。その理由を知り、適切な機器へリプレースすることで、業務スピードは劇的に改善します。

目次
なぜレーザ式はスマホ画面を読み取れないのか
レーザ式スキャナの仕組み
レーザ式スキャナは、その名の通りレーザ光を照射し、その反射光をセンサで検知して読み取る方式です。照射された光がバーコードの黒い部分(光を吸収)と白い部分(光を反射)で異なる強さで戻ってくることを利用し、電気信号に変換しています。長年、物流現場や小売店で愛用されてきた信頼性の高い技術であり、遠距離の読み取りに強いという特性があります。
液晶ディスプレイによる映像
液晶ディスプレイ(LCD)は、液晶という特殊な物質の光を通す性質を利用したディスプレイです。バックライトの光が液晶層を通過し、カラーフィルターによって色が作られます。液晶分子に電圧をかけることで光の透過量を制御し、画像を表示します。しかし、視野角が狭かったり、コントラスト比が低いなどのデメリットがあります。これにより、レーザ光が白色と黒色の差による反射光をセンサで捉えられないため正確な明暗を判別できない状態となり、読み取りエラーが発生するのです。
液晶読み取りの救世主「CCD」と「CMOS」
カメラのように「撮像」する仕組み
液晶画面を読み取るために必要なのが、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサを搭載したリーダです。これらはレーザの反射を見るのではなく、デジタルカメラのようにバーコードそのものを「画像」として撮影(撮像)します。画面自体が発光しているスマートフォンであっても、その光を含めて画像として認識するため、読み取ることが可能です。
1次元(CCD)と2次元(CMOS)の使い分け
一般的に、1次元バーコード(JANコードなど)のみを扱う場合はCCDスキャナが、QRコードを含む2次元コードも読み取る場合はCMOSイメージャを搭載したスキャナが選ばれます。特に近年の会員証アプリや決済アプリはQRコードを使用するケースが多いため、将来的な拡張性を考慮すると、CMOS搭載の2次元コードリーダ(エリアイメージャ)の導入が推奨されます。
2次元コードの規格詳細はこちら
業務効率を上げる機種選定のポイント
利用シーンに合わせた形状(フォームファクタ)
読み取り方式が決まったら、次は形状の選定です。レジカウンターであれば、ハンドスキャナだけでなく、かざすだけで読み取れる「定置式スキャナ」がスムーズな決済を実現します。一方、在庫管理やイベント会場など移動を伴う場合は、データを蓄積・処理できる「ハンディターミナル」や、スマホやタブレットとBluetooth接続する「モバイル型スキャナ」が有効です。
アイメックスが提案するハイブリッドな運用
最新のCMOSリーダは、液晶画面だけでなく、汚れやカスレのある紙のバーコード読み取り性能も向上しています。「紙も画面も1台で処理したい」というニーズには、高性能なデコードエンジンを搭載したモデルが最適です。また、業務アプリと連携させる場合、Android OSを搭載したビジネスターミナルや高機能ハンディターミナルを導入することで、読み取りからデータ送信までを一台で完結させ、現場のDXを加速させることができます。
アプリ連携で業務効率化を図るならこちら
まとめ
スマホ画面が読み取れない主な原因は、レーザ光では映像の反射光による明暗の差を認識できない特性にあります。液晶画面の読み取りには、画像としてコードを認識するCCDやCMOS方式のリーダが必須です。
アイメックスでは、ご利用環境や読み取り対象に合わせて、最適なスキャナやハンディターミナルをご提案します。機種選定でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。本コラムでは、今後も皆様のお役に立つ情報の発信を続けてまいります。
投稿者プロフィール

- 業界27年のベテラン営業マン兼ライター。
積極的に海外からも良い製品を探してくるが基本的にはモノづくり大好き人間。




