【完全解決】バーコードが読み取れない原因とは?対処法や防止策を紹介!

バーコードが読み取れない原因とは?

バーコードの種類を解説
バーコードが読み取れない場合、主な原因は3つ考えられます。一つはバーコード自体の問題で、汚れ、破損、シワ、余白不足、印刷不良などが挙げられます。次に、バーコードリーダー本体の不調で、レンズの汚れやセンサーの劣化、設定ミス、非対応のコードを読み取ろうとしている場合です。最後に、読み取り環境の問題として、リーダーとの距離や角度の不適切さ、周囲の強い光や対象物の反射などが挙げられます。

バーコードに原因がある

汚れ・破損・シワなど

小売店の商品や倉庫の在庫などでよく見られ、バーコードの白黒パターンが崩れると、リーダーが正確な情報を読み取れなくなります。
このような場合、まずはバーコードの汚れを取り除いたり、シワを伸ばしたりして、物理的な原因を取り除くことを試しましょう。それでも読み取れない場合は、バーコードの番号を手入力する対応が必要です。正確な読み取りのためには、バーコードの状態を良好に保つことが重要です。

余白不足

これは、バーコードの左右に十分な空白領域(クワイエットゾーン)がない場合に発生します。リーダーは、この余白をバーコードの始まりと終わりを認識するための「基準」として利用しています。
余白が不足していると、バーコードリーダーはバーコードの範囲を正しく認識できず、周囲の文字や線、あるいは帳票や伝票の枠線をバーコードの一部と誤認識してしまうことがあります。その結果、読み取りエラーが発生し、正確なデータ取得ができなくなります。特に帳票や伝票のように印刷スペースが限られる場合によく見られる問題です。

印刷不良

例えば、インクのかすれやにじみあるいは印字ヘッドのピン不良などによってバーが不明瞭になったり、バーの幅が均等でなく規格外のコードと判断されたりします。印字する下地が白色以外ですとコントラストの差が無くなり読み取りエラーが生じることもあります。
また、正しい解像度で印刷していない場合、線が歪んで正しく認識されないこともあります。さらに、JANコードやCode128のような一部のバーコードでは、読み取り誤りを検出するためのチェックデジットが間違っているCode39ではスタート・ストップキャラクタがないといった、規格上の不備も印刷不良としてエラーの原因となります。これらの問題があると、リーダーはコードを正確にデコードできません。

バーコードリーダーに原因がある

汚れや破損

最も一般的なのは、レンズ部分にホコリや指紋が付着しているケースです。これにより、バーコードの画像を正確に捉えられなくなり、読み取り精度が低下します。
また、長年使用による内部部品の劣化も、読み取り能力の低下に繋がります。さらに、落下などの衝撃によるセンサー部の損傷も、致命的な読み取りエラーを引き起こすことがあります。定期的な清掃と適切な取り扱い、そして必要に応じたメンテナンスや買い替えが、リーダーの性能維持には不可欠です。

設定ミスや機種非対応

まず、リーダーが読み取ろうとしているバーコード規格(JANコード、QRコードなど)にそもそも対応していないケースがあります。1次元コード専用リーダーでは2次元コードは読めません。
また、リーダーの設定が対象コードタイプの読み取り禁止設定になっている場合もあります。例えば、特定のコードのみ有効化されていると、それ以外のコードは読み取れません。さらに、読み取りモード(連続読み取りやトリガーモード)の設定が意図せず変更されていることもエラーの原因となるため、取扱説明書で確認し、必要に応じてリセットや再設定を行いましょう。

読み取り環境に原因がある

距離・角度が不適切

リーダーをバーコードに近すぎたり、遠すぎたりすると、適切に焦点を合わせられず、読取センサーがバーコードのパターンを正確に読み取ることができません。
また、リーダーの当て方や傾きが悪いと、読取センサーがバーコードの線を正しく認識できない、反射光の不均一による読み取りミスにつながります。特に、対象物に光沢のある面や曲面に印刷されたバーコードの場合、反射の加減が難しくなります。最適な距離と角度でスキャンすることが、スムーズな読み取りには不可欠です。

周囲の光の反射

強い直射日光や照明がリーダーのセンサーに直接当たると、うまく働かなくなり、読み取りミスにつながることがあります。
また、バーコードが印刷されたラベルが光沢素材だったり、透明フィルムやラミネートで覆われていたりする場合も注意が必要です。リーダーから発せられた赤色光が表面で乱反射し、バーコードの白黒パターンを正確に識別できなくなることがあります。読み取り時は、周囲の明るさやバーコード表面の状態を確認し、必要に応じて位置や角度を調整しましょう。

読み取りエラーを防ぐバーコード作成のポイント!

バーコードを自作・貼り付ける際は、読み取りエラーを防ぐ工夫が重要です。

余白を確保しているか

バーコードの読み取りエラーを防ぐには、左右の適切な余白(クワイエットゾーン)確保が非常に重要です。リーダーは、この余白をバーコードの始まりと終わりを認識する目印とするため、不足していると周囲の文字や線と誤認識し、読み取り不良の原因となります。
一般的に、バーコードの最も細いバー(ナローバー)の幅を「X」とした場合、左右にそれぞれ10X以上の余白が必要とされています。これを確保することで、リーダーはバーコードを正確に識別でき、スムーズな読み取りが可能になります。バーコード作成時には、この余白の規定を必ず守りましょう。

印字の色と地の色が明確に区別できるか

バーコードリーダーは、バー(線)とスペース(空白)の色のコントラストを読み取っています。そのため、読み取りエラーを防ぐには、両者の区別が明確になる色の組み合わせを選ぶことが不可欠です。
最も推奨されるのは、バーコードが「黒」、背景(地の色)が「白」の組み合わせです。これは最も高いコントラストが得られるためです。特に、多くのバーコードリーダーが読み取り時に赤い光を照射することを考慮すると、バーコード自体が赤色だと光が吸収されず反射が弱くなり、非常に読み取りにくくなります。地の色も、緑や青など、赤色の補色に近い色は避けるのが賢明です。

クリアで鮮明な印字ができているか

バーコードのにじみやかすれは、正確な情報取得を妨げる大きな原因となります。リーダーがバーとスペースの境界を識別できなくなるためです。
これを防ぐには、プリンターの定期的なメンテナンスと、適切な種類のインクの使用が不可欠です。また、バーコード作成時には、印刷可能な高解像度の印刷設定を選び、線が歪まないよう注意しましょう。プリンターの解像度以上に設定すると逆に滲みや欠けを生じますので適正な解像度で印字することが重要です。
特にCode128やCode39などの一部のバーコードでは、チェックデジットやスタート・ストップキャラクタと呼ばれる情報が必須です。これらが欠けているとエラーとなるため、バーコード作成ソフトの設定を確認し、必ず含めて印刷してください。クリアで鮮明な印字が、スムーズな読み取りの鍵です。

貼り付け場所は適切か

バーコードの貼り付け場所も読み取り精度に大きく影響します。特にペットボトルや缶のような円筒形の商品にバーコードを貼る場合、商品の曲面(ソリ)によってバーコードが歪み、リーダーが正確に読み取れないことがあります。
これを防ぐためには、バーコードを商品の縦方向(ソリが小さい方向)に沿って貼り付けることが重要です。こうすることで、バーコードの線が曲がりにくくなり、リーダーが直線として認識しやすくなります。また、商品パッケージのデザインや持ち方によって指などでバーコードが隠れない位置を選ぶことも、スムーズな読み取りには不可欠です。

バーコードリーダーが原因の場合の対処法は?

バーコードリーダーのメーカーに問い合わせる

バーコードリーダーが読み取れない場合、メーカーに問い合わせる前にいくつか確認すべき点があります。まず、他のバーコードや別の端末で読み取り可能か試してみてください。次に、リーダーの設定を初期化してみる、取扱説明書やメーカーサイトのFAQを確認する、接続状況やバッテリー残量といった基本的な部分もチェックしましょう。また、読み取れないバーコードの印刷方法やサイズ、リーダーが対応しているバーコードの種類を再確認することも重要です。
これらの確認を行っても改善せず、特に大量に読み取れないバーコードが発生している場合や、レーザー方式のバーコードリーダーの照射レーザーに異常がある(線ではなく点になる、幅が極端に短い、レーザーが出ないなど)といった明らかな物理的・機能的な問題が見られる場合は、速やかにメーカーへ相談しましょう。専門的なサポートを受けることで、問題解決が早まります。

バーコードリーダーの消耗品交換や買い替えを検討する

バーコードリーダーの消耗品交換や買い替えは、特定のサインが見られた時に検討すべきです。まず、お使いのモデルが古く、メーカーサポートが終了している場合は、修理が難しくなるため交換時期と言えます。
また、スキャン窓に目視で確認できる傷やくもりが発生していたり、読み取り速度や精度が明らかに落ちてきたり、読み取り音や反応が不安定になったりした場合は、内部部品の劣化や損傷が考えられます。
さらに、業務の変化により対応していないバーコード規格(例:2次元コード)を使うようになったり、新しい現場環境(倉庫、屋外、水場など)で使用することになった場合も、現状のリーダーでは対応しきれないため、その環境に適した機種への買い替えを検討するサインとなります。

バーコードリーダーの選び方

バーコードリーダーによる読み取りエラーを防ぐためには、使用環境や用途に合ったバーコードリーダーを選ぶことも大切です。

選ぶときのポイント

バーコードリーダーを選ぶ際は、以下のポイントを考慮しましょう。
使用環境: 屋内・屋外どちらで使うか、工場や倉庫なら耐久性や防塵・防水性能を重視。
読み取り距離: 商品に近づく「タッチ読み」か、離れても読める「ロングレンジ」か。
接続方法: 有線は安定性、無線は場所の自由度がメリットですが、バッテリーや電波環境も考慮。
読み取り精度: 傷や汚れのあるバーコードでも読み取れるか。スーパーのレジのように高速な読み取りスピードが必要か。
これらの点を検討することで、用途に最適なリーダーを見つけられます

用途別のおすすめバーコードリーダー

バーコードリーダーの選定では、使用環境、読み取り距離、接続方法、読み取り精度といった導入時のポイントを踏まえることが重要です。
例えば、小売店では商品のJANコード読み取りが中心のため、反応の良い1次元リーダーや、QRコード決済対応の2次元リーダーがおすすめです。
物流倉庫では、コードの汚れや遠距離読み取りに対応できる高耐久性の2次元イメージャー方式やロングレンジレーザー方式が適しており、作業効率のため無線タイプやリング型も有効です。
医療現場では、患者情報や薬剤管理の正確性が求められるため、1次元・2次元コード両対応のイメージャー方式が最適です。衛生面から抗菌・アルコール消毒対応、無線タイプも推奨されます。
各現場のニーズに合ったリーダーを選ぶことで、業務の快適化と効率向上が期待できます。

バーコードを読み取れない原因を知って現場に合ったリーダーを選ぼう!

バーコードが読み取れない主な原因は、バーコード自体の状態、バーコードリーダー本体の不具合、そして周囲の環境の3つに大別されます。
バーコードを作成する際は、印字精度や左右の余白確保や、印字の色と地の色で明確なコントラストを持たせることが重要です。
もしバーコードリーダーが原因と考えられる場合は、設定の確認や接続状態のチェックを行い、それでも改善しない場合は、使用するバーコードのサンプルを準備してメーカーへの問い合わせ、設定変更や機種変更を検討しましょう。
これらの原因と対処法を理解し、自社の現場に最適なバーコードリーダーを選ぶことで、読み取りエラーを減らし、業務効率を大幅に改善できます。もし最適なバーコードリーダーをお探しの方は、ぜひバーコードのプロフェッショナルである私たちにご相談ください。皆様のビジネスに最適なソリューションを丁寧にご案内させていただきます。本コラムでは、今後も皆様のお役に立つ情報の発信を続けてまいります。

投稿者プロフィール

厳田真司
厳田真司
業界27年のベテラン営業マン兼ライター。
積極的に海外からも良い製品を探してくるが基本的にはモノづくり大好き人間。